秋風の吹く
萩の花が咲く頃になりました。
夏から、あっという間に秋。夏の好きな私としては淋しい・・
70歳の四肢麻痺のIさんは、ちょくちょくこのブログに登場していただいていますが、今の施設での棟が変わり、初めの頃は慣れずに、
「老人ホームに移ろうかしら、誰か面倒見てくれないかしら」
と、ばかり言って、足が痛いこともあり、大分落ち込んでいました。
そのIさんが、最近快調なのです。
お菓子を買い込んで、同じ棟の女性ばかりを集めて、毎日女子会をしています。
「オババ会、なんて言われてるのよ」
と、楽しそうに報告してくれます。
「昨日は、前住んでいた棟の人から、参加してもいい?なんていわれちゃったの」
机の上の袋の中には、お菓子がごっそり。
以前はテレビに興味がなくて、
「たまにはテレビを見たら?」
と言っても
「面白くないのよ」
と答えていた人が、
「朝、暴れん坊将軍見てるの。4時に始まるから、早く起きてるわ。夜は、サッカーなんかのスポーツを深夜まで見ちゃった」
の変わりよう。
なんか、楽しそうに毎日を過ごしている様子です。服も、おしゃれをするようになりました。
お菓子を買いに、介護タクシーをよく使うようにもなりました。
ところが・・
マッサージが終わって帰るとき、スタッフのリーダーに呼び止められました。
「すみません。 Iさんのことでちょっと・・」
うつの薬を処方されていたIさんが、この頃躁の状態になってきたので、薬が変わりました。
昼間寝ていることがあると思いますが、了承しておいてください、と言われます。
「私、今のIさん、明るくていいと思いますけどね」
と言うと、
「同じ棟の人に、暴言を吐いたり、お金をよく使うようになったり、朝早くテレビ見たり、時間が不規則になっています。」
う〜〜ん。
確かに言いたいことを言うようになったけど、暴言、と言えるものなのかなあ。私が、
「それは言い過ぎ。そのくらい大人なんだから、言わないで我慢しようよ」
と諭すと、
「次から言わないわ」
と素直に言うIさんだけど、スタッフから見ると、暴言を吐く人に見えるのかなあ。
お金についても、無駄遣いいているようには見えないし。だって、小学校の先生だったIさんは、結構年金貰っているし。
テレビだって、周りに迷惑かけているわけじゃないしなあ。
どうも釈然としません。
愚痴ばかり言って、うつうつと暮らしていたIさんが、鬱と躁を繰り返す病気である、とは思えないのです。どこにでもいる人だと思うのです。
ひどい躁鬱病の人をみていた私には、彼女はその病気ではない、とはっきり言えます。
何度コールを押してもスタッフは来ない。そのうちに尿意や便意があってもわからなくなり、オムツにされてしまったIさん。
今回の事にしても、施設側の偏った判断のように思えます。
時々、やるせない気持ちになるたんぽぽさんなのでした。(-。-;