遭難した話
梅の花があちこちに咲き出し、まだ寒いけど、着実に春がやって来ていることがわかります。(^^)
帯状疱疹のE.Tさんも、転倒肘打ちのH.Tさんも風邪のYさんも大分良くなりました。
皆さん高齢だけど、回復力は強い!
さて、北海道の冬景色のテレビをみていたら、ふと私が小学2年の時、遭難しかけた事を思い出し、書いてみたくなりました。長くなりますが、まあ聞いてください。(^^)
場所は青森県。横浜から来た転校生だった私は、父の転勤先である七戸(しちのへ)という町で、 初めての大雪の冬を迎えました。何しろ子どもですから、スキーやソリ遊び雪合戦など、楽しい体験がいっぱい。冬休みが長いことも嬉しかったなあ。(^o^)
それは確か冬休みが終わった土曜日のこと、学校の帰り道、友だちと別れてからひとりで家路を急いでいました。吹雪いていたのと、お腹が空いていたから、早く帰りたくてたまらない。
いつもは畑をぐるっと回って社宅の入り口に出るのですが、社宅の一番奥にある家までまだまだ時間がかかります。
ふと畑の向こうを見ると、すぐそこに私の家があるではありませんか。家の煙突から煙があがっているのも見えます。
なあんだ、畑を突っ切ればいいんじゃない。
子どもですから、いつもは畑や林が遮って見えないけど、今日はたまたま雪が積もっていて近くに見えただけなんてわかりません。
ズボズボと畑に足を踏み入れました。ショートカットするつもり、ブルトーザーになったつもり。早く帰ろう!
ところが雪は重く、すぐに足が取られました。長靴に雪が入ってきて抜くこともできない。身動きできない!
辺りは吹雪いて、人影もありません。後戻りしようにも足が抜けないのです。
叫んでも、わあわあ泣いても、どうしようもない。家はすぐそこに見えるのに!
あの心細さ、怖さは今も忘れません。
子ども心に、「死ぬかもしれない!でも死ぬのは嫌だ!」と強く思いました。
必死でしたね。長靴を抜いだような気がします。ただただがむしゃらに雪をかきわけながら突き進みました。家まで実に長い道のりで、薮とか坂道もあって、えらい苦労したのを覚えています。玄関は、天国の入り口でした。
「ただいま!」
「あら、遅かったのね!・・どうしたの?」
母の呑気な声を聞きながら、 涙と鼻水をつららにした小さな雪ダルマは玄関で大泣きしていました。(^^)
私が、少々のことではめげない強い女に成長したのには、こんな出来事もあったのかもしれませんね。